January 29, 2018

JavaScript だけでなくスタイルシートと画像ファイルも webpack 管理下に置いて、 Asset Pipeline から完全にサヨナラした

よくある Rails アプリケーションから JavaScript のビルドを webpack に移譲した前回に続いて、今回はスタイルシートや画像ファイルといった静的アセットもすべて webpack の管理下に置くことにした。これによりフロントエンド管理を Rails が提供する Asset Pipeline のしくみから webpack に完全移行できた(と思っている)。

これまでのあらすじは以下のリンクから。

[https://blog.cheezenaan.net/rails-with-webpack-on-docker]

Tl;dr

Build stylesheets through webpack by cheezenaan · Pull Request #18 · cheezenaan-sandbox/sample_app_rev4

例に漏れず Pull Request を作成しているので、物好きな人はコミットを追ってたらいいと思う。

構成

~/s/g/c/c/sample_app_rev4 » tree frontend -I node_modules
frontend
├── config
│   └── webpack.config.js
├── package.json
├── postcss.config.js
├── src
│   ├── images
│   │   └── rails.png
│   ├── javascripts
│   │   └── application
│   │       ├── Hello.js
│   │       └── index.js
│   └── stylesheets
│       ├── _common.scss
│       ├── _footer.scss
│       ├── _header.scss
│       ├── _mixin.scss
│       └── application.scss
├── yarn-error.log
└── yarn.lock

6 directories, 13 files

スタイルシートのバンドル

$ docker-compose exec node yarn add -D node-sass style-loader css-loader sass-loader postcss-loader autoprefixer extract-text-webpack-plugin

webpack で sass を扱えるようにした。スタイルシート関連の loader が乱立しており当初は混乱したけど、以下の URL が理解の助けに役立った。

Webpack って CSS 周りの Loader がいっぱいあって分かりにくいので整理してみる - Qiita

css-loader は CSS 間の依存関係解決、 sass-loader や postcss-loader は CSS へのコンパイルを行っている。style-loader はバンドル時に CSS の内容を style タグとして出力するのだけど、extract-text-webpack-plugin を使うと style タグに出力する内容を別途 CSS ファイルとして生成できる。あと autoprefixer がコンパイル時にベンダープレフィックスを自動で追加してくれるので控えめに言って最高。

bootstrap-sass を webpack で管理する

$ docker-compose exec node yarn add bootstrap-sass

bootstrap-sass を webpack で管理する。

// frontend/src/stylesheets/index.scss
@charset "utf-8";

// ...
@import './_mixin.scss';

// ...
// frontend/src/stylesheets/_mixin.scss
@charset "utf-8";

@import '~bootstrap-sass/assets/stylesheets/bootstrap-sprockets';
@import '~bootstrap-sass/assets/stylesheets/bootstrap';

$gray-medium-light: #eaeaea;

bootstrap-sprockets からにじみ出てくる投げやり感。。

画像ファイルのバンドル

$ docker-compose exec node yarn add -D file-loader

file-loader 導入にあたりファイルの出力場所や 読み込み先の設定で躓いたのだが、以下のページが大変参考になった。

file-loader で画像を扱うときのパス指定 - Qiita

エントリーポイントの整理

Rails 側で使用するテンプレートファイルの構造とバンドルファイルの関係を揃えてみた。たとえば、app/views/static_pages/home で使用するアセット群は、public/assets/frontend/static_pages/home という名前のエントリーポイントでバンドルして、

# app/views/layouts/application.html.erb
<%= stylesheet_link_tag frontend_asset_path("layouts/application.css"), media: 'all' %>
# app/views/static_pages/home.html.erb
<%= javascript_include_tag frontend_asset_path("static_pages/home.js) %>

という具合で呼び出す。画像ファイルを Rails の image_tag で読み込むためだけに javascript_include_tag しているのが残念ポイントではある。

Asset Pipeline とサヨナラする

アセットパイプライン | Rails ガイド を参考に、 sass-rails と uglifer, coffee-rails を Gemfile から消し去る。ここまでの作業で app/assets 以下は完全に不要になるので、

$ rm -rf app/assets

で削除。これで Asset Pipeline のない世界線に到達できた。

参考: webpack.config.js

そこまでごちゃごちゃカオスになっていない…はず。

おまけ: Heroku デプロイ時に node でフロントエンドビルドを走らせる

sprockets ではなく nodejs を使う Rails アプリを Heroku にデプロイする方法 - Qiita

以下 2(+1) つの準備が必要。

  • Heroku Buildpack for Node.js を導入する
  • ルートディレクトリにある package.json を編集する
  • bin/yarn を削除する

Heroku Buildpack for Node.js を導入する

package.json に記載されてる devDependencies のパッケージ群もインストールしてほしいので、NPM_CONFIG_PRODUCTION の環境変数をいじる。

$ heroku buildpacks:add --index 1 heroku/nodejs
$ heroku config:set NPM_CONFIG_PRODUCTION=false

ルートディレクトリにある package.json を編集する

Heroku はルートディレクトリの package.json を認識して自動でビルドを走らせてくれるので、最低限必要な設定を追記する。

まずは engines に node と yarn のバージョンを記載する(記載しないとエラーで落ちる)。

// package.json
{
  "engines": {
    "yarn": "1.3.2",
    "node": "9.4.0"
  },
}

scriptspostinstall に定義した内容を Heroku が実行してくれる。--prefix オプションをつけることでビルド時の起点となるディレクトリを設定できる。意外と地味に便利。

// package.json
{
  "scripts": {
    "postinstall":
      "npm install --prefix frontend && npm run release --prefix frontend"
  },
}

bin/yarn を削除して assets:precompile へのフックを消す

いつからか Rails で rake assets:precompile を叩く際に rake yarn:install もセットで走るようになった。 Heroku デプロイ時に node 側でビルド → Rails の assets:precompile と 2 回ビルドが走るようになってしまい完全に「余計なお世話」である。bin/yarn を消し去ることで assets:precompile へのフックもなくなった。

ref. https://github.com/rails/rails/blob/master/railties/lib/rails/tasks/yarn.rake#L3-L8

所感

「手段の目的化」が若干否めなかったが、多少なりとも webpack とは仲良くなれたと思っている。世間やネットの情報が言うほど設定ファイルがカオスになるわけではなかったし、あの膨大なプラグインや設定にも意味があることが理解できたのが収穫。なによりフロントエンドの依存管理を Rails(Asset Pipeline)から切り離せたので、もし仮にこの先 webpack に次ぐ新たなツールが現れたとしても Rails 側への影響を抑えて乗り換えられるようになったし、もっというとサーバサイドの開発言語を Rails 以外にスイッチしたり API / クライアントの分離…という選択肢も見えてきた。

webpacker は…機会があったらまた別にさわろう。

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